
「たいまつ」を漢字で書くと「松明」と書きます。
なんでそっちが「まつ」やねん!!!!!
ということで、今回は「松明」という漢字の由来や歴史的背景を調べてみました。
「松明(たいまつ)」とは
松明とは、松や竹などを細かく割ったものを重ね、そこに火をつけたものです。電気などのない昔の時代に照明として使われていました。
古代ギリシャでは紀元前5世紀ごろから使われているなど、かなり歴史の深い道具になります。
人類の歴史の中で、火や明かりはとても欠かせないものでした。
「松明」の漢字の理由

たいまつは漢字で「松明」と書きます。なぜ「松」ではなく「明」のほうが「まつ」と読むのか。
まず結論から述べましょう。
「松明」という漢字は当て字だからです。
それでは、詳しく「たいまつ」という言葉の由来と「松明」という漢字の由来をまとめていきます。
「たいまつ」の語源と由来
まずは、「たいまつ」という読み方についての語源と由来を見ていきましょう。
「たいまつ」という言葉の由来には、主に2つの語源の説があるといわれています。
1.「焚き松」からの変化
まず最初の説は、「焚き松(たきまつ)」からの変化です。火を点ける松、という意味ですね。この「たきまつ」が長い時間を経て「たいまつ」と言いやすいように変化したという説が有力です。
長い時間の中で、言葉がより言いやすいように変化していくことはよくあることです。案外、名前の由来はこのようなものなのかもしれませんね。
2.「手火松」からの変化
2つ目の説は「手火松(たびまつ)」からの変化です。日本の8世紀の書物である「日本書紀」や「万葉集」では松明のことを「手火(たび)」と呼んでいました。
松明は夜間に手に持って明かりとしたため、「手」に「火」と書いて「手火」と呼ばれていたんですね。
こちらも、「たびまつ」から時間を経て「たいまつ」へと言葉が変化したといわれています。
「松明」の漢字の由来

それではなぜ、「たいまつ」に「松明」の漢字があてられたのでしょうか。今度は漢字に注目して調べてみました。
「松明」は漢字を見ればわかる通り、「松の明かり」という意味合いです。昔の松明は松に火を点けて使っていたため、当然と言えば当然の漢字ですね。
あまり一般的ではないですが、そのまま音読みで「しょうめい」と呼んでも間違いではありません。ですが、この漢字に当て字として「たいまつ」が当てられました。
昔、中国から漢字が伝わるときには、その中国での漢字と日本の言葉を当て字のように掛け合わせることが多くありました。
「松明(たいまつ)」「大人(おとな)」「今日(きょう)」「田舎(いなか)」のような、熟語に対して訓読みを当てたものを「熟字訓(じゅくじくん)」といいます。これらは、中国語の漢字をもとに日本語で翻訳し、日本語として合う単語を当てたものです。
まとめ
「松明」は熟字訓の一種であり、「松」「明」にそれぞれ「たい」「まつ」が割り振られているわけではなく、セットで「たいまつ」と読むんですね。