
周期表の1から20までの原子を覚えるために誰もが聞いたことのある語呂合わせ、「すいへーりーべ」。
一見謎の呪文のように思われるこの言葉の意味を解説します。
原子番号の語呂合わせ
そもそもこの語呂合わせは、原子の順番を覚えるために作られました。具体的には、以下の20種類の原子です。
原子名
水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ネオン、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、塩素、アルゴン、カリウム、カルシウム
元素記号
H、He、Li、Be、B、C、N、O、F、Ne、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、Ar、K、Ca
語呂合わせ
これらを覚えやすいように、「水兵リーベ僕の船、7曲がりシップスクラークか」という語呂合わせが生まれました。
この語呂合わせによって、原子番号の上から20種類の元素を順番に覚えることができます。全国の中学校でしばしばこの語呂合わせが紹介されます。
語呂合わせの意味

改めて、語呂合わせを書きます。
水兵リーベ僕の船、7曲がりシップスクラークか
この文を簡単に翻訳すると、「水兵の愛する船で7回曲がったところに船がありました。あれはクラークかな?」といったニュアンスになります。
「水兵」というのは水の兵士、つまり海軍の人のようなものです。
「リーベ」はドイツ語「liebe」(英語のLove)で、「愛する」という意味です。
「シップス」とは「Ships」、つまり「船」のこと。
「クラーク」は人名です。
以上を踏まえて丁寧に意味を解説すると、こんな感じ。
僕は海軍で働いている兵隊。僕の愛する船に乗っているよ。7回曲がったところで、船を見つけた。あれは友人のクラークの船かなあ?
意味を覚えておくと、語呂合わせもすんなりと覚えられそうですね。
おまけ:諸説ある語呂合わせ

今回は一番有名な「7曲がりシップスクラークか」を紹介しましたが、学校や地域によっては「名前があるシップス」ということもあるそうです。
また、クラークはその船の船長という説や、そもそも「リーベ」が船や水兵の名前だとする説もあります。
語呂合わせとは、案外そのような適当なものなのかもしれませんね。
解釈は個人の覚えやすいようにとっておくのがベターでしょう。
注意:語呂合わせだけで満足しないで
ここまで原子の名前と順番を覚えるための語呂合わせを紹介しました。
この記事でいうのも少しおかしな話ですが、語呂合わせだけで覚えて満足するのも落とし穴があります。
今後、化学を勉強していくうえで、各原子の特徴やそれぞれの関係性を覚えることが重要になります。
例えば、この語呂合わせは周期表の左上から順番に横に並べたものですが、原子の化学的特徴は周期表の縦の列に似たような性質が現れます。
この語呂合わせを使って原子の順番を覚えることは大前提として、周期表の形のまま記憶することもとても大事です。
まとめ
本日は「すいへーりーべー」に隠された意味について解説しました。原子とは化学を勉強する上で土台となってくるものなので、しっかりと語呂合わせを有効活用して覚えましょう!