
今回は、特に理系大学生が苦しむ実験レポートについて、書き方と書く時のポイントをまとめていきたいと思います。
実験レポートの構成
実験レポートの基本は
- 表紙
- 目的
- 理論
- 実験方法
- 結果
- 考察
- 参考文献
の順で構成されます。今回はこの項目ごとに書き方と注意点をまとめていきます。
ただし、課題によっては異なる構成の指示が出されることもあるので、教授の指示がある場合はそちらに優先して従うようにしてください。
表紙の書き方
実験レポートの1ページ目は以下のように表紙に必要事項を記入します。

他レポートと共通する項目(提出日、タイトル、氏名、学籍番号)に加え、共同実験者や実験日を記載します。気温などによって実験が左右される可能性がある場合は上の例のように気温、室温、天候など条件も必要に応じて記載すると良いでしょう。
レポート課題の指示によっては表紙不要と言われる場合もあります。
もっと詳しい表紙の書き方を知りたい方は以下の記事を合わせてお読みください。
学生向け!レポートの表紙の書き方の基本
目的の書き方
それでは本文に入っていきます。本文は以下のように、タイトルの後1マス段落あけをして書きます。

目的には
- その実験で用いる事象の説明
- どうしてその実験を行うのか重要性
- 実際に行う実験内容を簡潔に示す
この3点を抑えておけば問題はないです。
この項目はそこまで重視されないですが、一番最初にレポートの印象付けが行われるパートでもあることを忘れずに。
講義内に行われる実験は大抵「〇〇の分野の理解を深める」ということが目的に挙げられます。目的は講義中に教授が話していることも多いので、その内容と一致させると尚良しです。
理論の書き方
理論の欄には、その実験でどのようなモデルや座標を設定するのか、どのような式から関係式が導出されるのか、という内容を示します。

この項目は導出過程の計算式を打つのに非常に時間がかかって煩わしいと感じるかもしれません。ポイントを2つ挙げておきます。
実験で使う記号と単位
理論式を載せる前に、測定する項目の記号を定めておく必要があります。
例えば、「荷重W(kgf)」「試験片の半径r(mm)」のような感じです。これを書いてから式を書きます。
式番号
理論式の右側には式番号を振る必要があります。
余談ですが、Wordで使えるテクニックとして、数式の最後に「#(1)」のように打ってEnterすると綺麗に式番号が並ぶという小技があります。スペースキーやTabキーなどで式番号の位置を調整していた人はぜひともこれを習得してみてください。とても楽にきれいになります。
実験方法の書き方
続いては実験方法についてです。ここには実際にどのような手順で実験を行ったか、どのような実験器具や実験環境で実験を行ったを記載します。

この項目は、みなさんの思っている以上に詳しく書いた方がいいということがポイントになります。
具体的には、何という器具を用いたのか、それぞれ何回ずつ測定したのかということが重要です。
例えば、「ノギスを用いて試験片の直径を測定した。」という文章は「ノギス(JIS規格)を用いて試験片の直径を5回測定した。」のように訂正されます。
図の決まり
ここで少し、図の書き方の規則について触れておきます。これはレポート全体で当てはまる内容です。
図を貼るときは上記写真のように、タイトルを必ず図の下に配置します。
これを誤って図の上部に書いてしまうと大幅減点となる可能性があります。実験レポートでの常識ですので、そのまま覚えておきましょう。
詳しい図の決まりについてはこちらの記事をご覧ください!
レポート・論文の図やグラフの書き方と注意点
結果の書き方
いよいよ結果についてまとめていきます。どういう関係が得られたかなどは考察で記載するので、この実験結果の欄には実験で得られたデータを表やグラフにまとめることだけをすれば大丈夫です。

表の決まり
表の書き方の規則です。表は図とは違い、タイトルを表の上部に記載します。
また、表のデータの単位、有効数字に気をつけましょう。
詳しい表の決まりについてはこちらの記事をご覧ください!
レポート・論文の表の書き方と注意点
グラフの決まり
グラフの規則も少し見てみましょう。
グラフは「図」として扱われます。すなわち、「グラフ1」「グラフ2」という書き方をしてはいけません。「図1」「図2」として他の図や写真と一緒に数えます。
なので、もちろんタイトルはグラフの下部。Excelのデフォルトのタイトルはグラフの上部になっていますが、これはそのまま使わずに下部に追加しましょう。
また、グラフの軸の単位、有効数字に気をつけましょう。
詳しいグラフの決まりについてはこちらの記事をご覧ください!
レポート・論文の図やグラフの書き方と注意点
考察の書き方
自分の考えをまとめる一番大事な項目、考察です。
考察には結果から得られる様々なことを書きますが、書くことが思い浮かばなかったときに以下の要素を参考にしてみてください。
結果の解釈
結論、どのような結果が得られたのかを書きます。
「表〇と図〇の結果から、〇〇と〇〇には強い正の相関関係がある。」
誤差の検討
理論値と実験値の誤差の要因として考えられることを挙げます。
「〇〇の算出では〇〇の値を3乗するため、この精度が誤差に大きく関わっていると考えられる。」
実験条件の考慮
実験の条件の影響を考えます。
「実験では〇〇を考慮していなかったため、このモデル化を考えると……」
いずれにしても、客観的な具体的な数値を用いて考察するとさらに良いでしょう。
参考文献の書き方
参考にしたサイトや論文などがあれば必ず記載しましょう。教科書を載せても構いません。
文や図を引用した場合は、その箇所に通し番号を付けることも重要です。
例「(1)〇〇太郎.”〇〇の傾向”.〇〇基礎工学.〇〇社.2018.p.45-70」
参考文献はサイト、図書など場合によって書き方が異なるので、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
レポート・論文の参考文献ってどう書けばいいの?
まとめ
少し長い記事になりましたが、今回は実験レポートの書き方についてまとめてみました。特に理系大学生は長い間何度も書くことになると思います。
実験系科目はレポートが成績評価の大半を占める事も多いので、是非参考にしてみてください。