
突然ですが、何切る問題です。みなさんは、以下の手牌から何を切りますか?

これは完全イーシャンテンにもリャンメンカンチャンにもなる形です。このようなときに2pを切るべきか3sを切るべきかについて考察します。
一応、結論だけ先に書いておきます。
リャンメンカンチャンを残す3s切りが正解となります。
ただし、どちらを残すのかは少しの状況で変化するため、ぜひそれぞれのメリット・デメリットを理解してください。最後に、別パターンの例題も用意しています。
完全一向聴(イーシャンテン)とは
まずは、完全イーシャンテンとリャンメンカンチャンについて、改めて解説します。知っている方は飛ばして構いません。
冒頭の手牌から2pを切った形(下画像)を、完全イーシャンテンと言います。

完全イーシャンテンは、対子と両面塔子に加えて、233のような対子と両面形の複合塔子を持つ形を指します。
なぜこの形が完全イーシャンテンと呼ばれているかというと、どの有効牌を引いてもリャンメン待ちでテンパイできる強い形であるからです。
この場合のテンパイする有効牌の受け入れ枚数を確認しましょう。
1m×2枚、5p×3枚、8p×4枚、1s×4枚、3s×2枚、4s×4枚 計19枚
ヘッドレス形やくっつきのイーシャンテンと比べると受け入れ枚数は劣りますが、必ずリャンメン形でテンパイするのでかなり扱いやすく、積極的に狙っていきたい理想の形です。
リャンメンカンチャンとは
続いて、3sを切った形を考えます。

この筒子(ピンズ)の部分245667の形を、リャンメンカンチャンと呼びます。
リャンメンカンチャンを知らないと、2pが不要なように見えますが、この2pを残すことで3pを引いても6pを切ってテンパイが取れます。
この場合のテンパイする有効牌の受け入れ枚数を考えましょう。
3p×4枚、5p×3枚、8p×4枚、1s×4枚、4s×4枚 計19枚
全ての有効牌でリャンメン形のテンパイをとることができます。
違いは「平和があるかないか」
それぞれの特徴と受け入れ枚数を考えました。双方とも受け入れ枚数は同じ19枚、どれもリャンメン形のテンパイを取れます。したがって、どちらを切ってもほとんど変わりません。そのため、場の状況を見て残っている有効牌の多い方を採用することをおススメします。
ただ、よーくみると少しだけ、この2つには優劣があります。それは、平和が付くかどうかです。
もう一度、2つの手牌を比べてみます。


この形のリャンメンカンチャンでは、どの有効牌を引いても平和が付きますが、完全イーシャンテンの場合、1mや3sを引いたときに平和になりません。
したがって、この違いから、リャンメンカンチャンを残すべきという結論になります。
少し違うパターン
冒頭の手牌からは3sを切ってリャンメンカンチャン残すべきだという結論になりましたが、では少し変わった以下の2つの場合はどうでしょうか。少し考えてみてください。


1つ目は1mがドラの2mに変わり5mも赤になりました。2つ目は456mが暗刻の白に変わりました。
また結論から述べると、この2つの場合は2pを切って完全イーシャンテンを取るべきになります。
まず1つ目について。冒頭の手牌と違う点は、タンヤオが見えること、打点が十分あることの2点です。リャンメンカンチャンを採用すると、ポンテン(ポンしてテンパイを取る)ができません。タンヤオ赤ドラ2ですでに7700(8000)が確定している状況ですから、平和も必要ありませんし、リーチの価値も下がります。鳴いてテンパイを取るために対子を2つ残しておきたいです。
では、2つ目はどうでしょうか。打点は十分ではありませんが、この場合はどっちにしろ平和が付くことはありません。それならば、状況によってポンしてテンパイを柔軟に狙える完全イーシャンテンをオススメします。基本はリーチを目指しますが、巡目が少なかったら妥協して鳴く、といった動きをとることができます。
また、打点も少しだけ完全イーシャンテンのほうが高くなるケースがあります。
例えば、この2つ目の手牌に1mや3sを引いてテンパイした場合、暗刻のおかげでテンパネします。
このように、平和が付かない場合には完全イーシャンテンを採用すべき場合も多くあります。
まとめ
完全イーシャンテンとリャンメンカンチャンの両方が見える場合、
1.場を見て有効牌の残り枚数の比較
2.平和が付くかどうかの比較
3.ポンしてテンパイを取りたいかの比較
の3点に留意して選択することが重要になります。